呼吸器・腫瘍内科

呼吸器・腫瘍内科の概要

廣瀬 敬

呼吸器・腫瘍内科 部長

2009年6月より呼吸器・腫瘍内科の診療が開始となり、呼吸器外科とあわせて「呼吸器センター」が発足しました。
当院は、東京都がん診療連携拠点病院に認定されており、また、日本内科学会、日本呼吸器学会、日本臨床腫瘍学会、日本アレルギー学会の認定施設に指定されています。
当院を受診された患者さまが「日本医科大学多摩永山病院を受診して良かった」と思っていただける医療を行っております。

当科では、呼吸器疾患全般と胸部悪性腫瘍を中心とした悪性腫瘍の診療を行っています。検診で肺に異常陰影を指摘された方、咳、痰、血痰、呼吸困難、胸痛などの症状のある方は当科で診療いたします。対象疾患は、肺がん、悪性胸膜中皮腫、縦隔腫瘍、原発不明がん、間質性肺炎、全身疾患としてのびまん性肺疾患(サルコイドーシス、膠原病肺など)、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、呼吸器感染症(肺炎、胸膜炎、肺化膿症、肺結核、非結核性抗酸菌症、肺真菌症など)、睡眠時無呼吸症候群などです。
治療は薬物による治療、外科治療、放射線治療、酸素などの器械を使用した治療などさまざまな方法がありますが、常に呼吸器外科、放射線治療科など他科と連携をとって治療方針を決定しています。


診療時間と予約制について

外来診療は、休祝日を除く毎日午前中(受付時間午前8時30分~11時)です。午後の診療は原則として予約のある方のみの診療ですが、臨時や救急の受診にも随時対応しております。
初診の予約は下記で受け付けております。初診では、予約の方、紹介状をお持ちの方を優先させていただいております。可能な限り近隣の医療機関で紹介状を持って受診していただくようお願いします。
再診の予約や予約時間の変更も電話で受け付けております。

 

【予約受付】
呼吸器センター外来受付042-371-2111(内線2337)

【受付時間】
平日:午後3時~午後4時30分まで
土曜日:午後2時~午後3時30分まで

※この時間外のお問い合わせには対応しかねる場合がありますのでなにとぞ御了解お願いします。

 

主な疾患の診療概要

胸部異常陰影
胸部CTの詳細な読影により診断を絞り込み、PET検査、MR検査を適宜追加して患者さまにできるだけ負担の少ない方法で、正確に迅速に診断しています。組織検査による確定診断が必要な場合には、気管支鏡検査(火曜日と金曜日に当科で施行)、CT下生検(放射線診断科と連携)、胸腔鏡下生検(呼吸器外科と連携)を行います。

 

肺がん
肺がんは、日本のがん死亡の1位で、今後も増加することが予想されています。症状として現れづらく、検診で発見されることも多い疾患です。症状は持続する咳、血痰、痛み、体重減少などです。胸部CT、PET検査、気管支鏡などで診断致します。
治療は内科治療、外科治療、放射線治療がありますが、毎週、呼吸器外科、放射線治療科とカンファレンスを行って充分に討議し、最適な治療方針を決定しています。さらに患者さまの治療に対する希望を加味し、QOL(quality of life:生活の質)を損なわない治療方法を選択しています。
内科治療は、抗がん剤治療、分子標的治療、免疫療法などがあり、近年目覚ましい進歩をとげていますが、臨床腫瘍学をベースにしたエビデンスに基づいた最新の治療をしています。治療は外来治療を基本とし、専任の看護師と薬剤師を配する外来輸液療法室(室長 廣瀬部長)で、きめ細かな管理のもとで治療を受けることができます。
また、早期から緩和ケアを取り入れ、痛みのコントロールや、臨床心理士とも協力して心のケアにも積極的に取り組んでいます。

 

その他の悪性腫瘍

近年アスベストが社会問題になっており、アスベストが原因となる悪性胸膜中皮腫が増加しています。悪性胸膜中皮腫、縦隔腫瘍の治療は、内科治療、外科治療、放射線治療による集学的治療が重要ですが、毎週、呼吸器外科、放射線治療科とカンファレンスを行って充分に討議し治療方針を決定しています。
原発不明がんは、成人固形がんの3-5%を占めますが、あまり知られていません。当科では、抗がん剤などによる最適な治療を行っています。

 

間質性肺炎

間質性肺炎には、原因不明なものから原因が特定されるものまで様々な疾患があります。症状は持続する咳、呼吸困難などです。胸部X線、胸部CTで間質性肺炎の有無を診断し、血液検査などで原因を特定します。また、呼吸機能検査、心臓超音波検査、気管支鏡検査、必要に応じて胸腔鏡下肺生検などで確定診断や重症度判定をします。
治療方法は、内科治療が基本で、近年進行を抑える薬剤が上梓されており、重症度や進行度に応じて最適な治療を行っています。また、進行すると酸素が悪化しますが、低酸素血症の程度に応じて在宅酸素療法を行っています。

 

気管支喘息

吸入ステロイドの普及により喘息発作での入院数は劇的に減少しました。一方、罹患率は増加しています。持続する咳のみが症状の患者さまなどは気管支喘息が見落とされ、適切な治療を受けられていない場合も多くあります。気管支拡張薬を使用した呼吸機能検査により受診当日に診断が確定する場合もありますので、咳が止まらないなどの症状がある場合は受診をお勧めします。また、重症喘息に対する分子標的治療が開発されており、当科でも重症喘息患者さまに使用しています。

 

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

COPDは喫煙が主な原因で、年々増加しており、世界保健機構(WHO)の報告では世界の死亡原因の第4位を占めています。しかし、わが国ではCOPDの診断が確定している方は1割に満たない状況です。症状は持続する咳、痰、呼吸困難などです。受診当日に呼吸機能検査で診断が確定しますので、持続する咳、痰、呼吸困難のある方は受診をお勧めします。治療は、早期に診断を確定し、禁煙や気管支拡張薬の吸入療法を行うことが進行を抑えるうえで重要です。また、進行すると酸素が悪化しますが、低酸素血症の程度に応じて在宅酸素療法を行っています。

 

呼吸器感染症

細菌性肺炎、ウイルス性肺炎、胸膜炎、非結核性抗酸菌症、肺結核、肺真菌症など様々な呼吸器感染症があります。一般的な細菌感染症では、発熱、咳、痰を呈することが多いですが、非結核性抗酸菌症、肺結核、肺真菌症などでは症状が乏しく、微熱などが唯一の症状であることもしばしば経験します。喀痰や血液、尿検査で迅速に原因菌を同定し、抗菌薬を適正に使用し治療することが重要です。

 

睡眠時無呼吸症候群

症状はいびき、日中の眠気、頭痛、日中の活動や思考能力の低下をきたします。睡眠時無呼吸症候群の方は、高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病を合併しやすいことが分っています。簡易診断検査器により自宅での検査が可能です。治療は、マウスピースと持続陽圧呼吸療法装置(CPAP)を装着することが主体となります。

 

研究概要

主な研究課題は、肺がんの診断、薬物治療に対する臨床研究で、全国規模の多施設共同研究にも多数参加しています。

 

原著論文(代表論文10編)
1. T. Hirose, et al: Association of pharmacokinetics and pharmacogenomics with safety and efficacy of gefitinib in patients with EGFR mutation positive advanced non-small cell lung cancer. Lung Cancer 93: 69-76, 2016.
2. K Fujita, T. Hirose, et al: High exposure to erlotinib and severe drug-induced interstitial lung disease in patients with non-small-cell lung cancer. Lung Cancer. 86:113-114, 2014.
3. K. Ishida, T. Hirose, et al: Phase II study of concurrent chemoradiotherapy with carboplatin and vinorelbine for locally advanced non-small-cell lung cancer. Mol Clin Onc 2: 405-410, 2014.
4. K. Okuda, T. Hirose, et al: Evaluation of the safety and efficacy of combination chemotherapy with vinorelbine and platinum agents for patients with non-small cell lung cancer with interstitial lung disease. Anticancer Res 32:5475-5480, 2012.
5. T. Hirose, et al: Relationship of circulating tumor cells to the effectiveness of cytotoxic chemotherapy in patients with metastatic non-small-cell lung cancer. Oncol Res 20:131-137, 2012.
6. T. Sugiyama, T. Hirose, et al: Evaluation of the efficacy and safety of the combination of gemcitabine and nedaplatin for elderly patients with advanced non-small-cell lung cancer. Oncology 81:273-280, 2011.
7. T. Hirose, et al: Phase II trial of amrubicin and carboplatin in patients with sensitive or refractory relapsed small-cell lung cancer. Lung Cancer 73:345-350, 2011.
8. Y. Kishida, T. Hirose, et al: Myelosuppression induced by concurrent chemoradiotherapy as a prognostic factor for patients with locally advanced non-small cell lung cancer. Oncol Let 2:949-955, 2011.
9. T. Hirose, et al: Are levels of pro-gastrin-releasing peptide or neuron-specific enolase at relapse prognostic factors after relapse in patients with small-cell lung cancer? Lung Cancer 71: 224-228, 2011.
10. T. Hirose, et al: Pharmacokinetics of S-1 and CYP2A6 genotype in Japanese patients with advanced cancer. Oncol Rep 24:529-536, 2010.

 

著書・総説(代表論文5編)
1. 廣瀬 敬:Annual Review 2014呼吸器:非小細胞肺癌の維持療法. 245-252, 中外医学社, 2014.
2. 廣瀬 敬:特集がん治療-オンコロジーエマージェンシー-. Medicament News 2167: 3-5, 2014.
3. 廣瀬 敬:胸部X線写真・CTの読影方法-見落としを防ぐためのコツ-. 江東区医師会雑誌さざんか 32: 41-45, 2014.
4. 廣瀬 敬, 足立 満:医師・薬剤師のための医薬品副作用ハンドブック:気管支拡張薬・気管支喘息薬. 187-191, 日本臨床社, 2013.
5. 廣瀬 敬, 足立 満:治療薬up-to-date 2013:気管支拡張薬. 呼吸促進薬. 鎮咳・去痰薬. 314-342, メディカルレビュー社, 2013.

 

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